1968年、キャロル・リード監督の映画「オリバー!」 |
2006 01.27 Fri |
今月公開のポランスキー監督をはじめ、愛され数々リメイクされ続けるチャールズ・ディケンズの小説映画化作品です。 主役を演じるのは、映画「小さな恋のメロディ」の二人の少年。歌とともにストーリーが展開する、ミュージカルタッチのヒューマン・ドラマ。
舞台は、19世紀初頭のイギリス。 貧しい孤児院で、生き倒れの一人の女が男の赤ちゃんを産み落として死んでいく。その子はオリバー・ツイストと名付けられ、利発な少年に成長するが、孤児院のあまりに貧しい食事に文句を言ったがために、売りに出されてしまう。 売られた先の葬儀屋から運良く抜け出し、はれて自由の身となったものの、天涯孤独。 夜はどこかの農家の納屋で眠ったり、はたまた野菜カゴにキャベツと一緒にもぐりこんで眠ったり。だが、その野菜かごは、オリバーとともにロンドンへ流れ着いた! 大都会ロンドン!右も左も分からぬまま路地を歩いているうち、自分と同い年くらいの少年ドジャーと知り合った。なんと、彼はスリを生業として日銭を稼いでいると言う。
オリバーと、ドジャー。引き寄せられるように友達になった二人。 二人の少年を取り巻く世界は、貧しいけれど活気豊か。たとえば市場で肉を裁く男たちや、路地で花を売り歩く女たちの声が、オリバーには全て音楽に聞こえるんです。 いわばそれが、ミュージカルとしての、コーラスのスタート合図。 町中の人々が歌う歌と、ダンス。圧倒されるほどに色彩豊かで、楽しげで、活気に溢れている。その活気を始めて目の当たりにして驚くオリバーの頬には、生き生きとした笑顔が浮かぶ。 けれど、明るい笑顔とはウラハラに、やはり貧しさが落とす影は、少年のオリバーの人生を翻弄して行く・・・
ピカレスク文学をも思わせる独特の人間描写が、この映画をいっそう魅力的にしています。 この映画の紅一点、バーの女給をするナンシーを演じるのはシャニ・ウォリス。その、クシャッとなる笑顔はキュートです☆ 街中が踊るリズムに顔を輝かせる少年オリバーの笑顔は、今も私たちに『生きる喜び』というものを伝えていますよ。
*ロマンポランスキー監督はオリバーツイストについて奥様から「数々リメイクもあるけれど、原作に忠実なものは一つもないのよ」といわれ、今回の製作に乗り出したとか。 新作映画「オリバー地スト」については、今週末土曜のコーナーで詳しくご紹介!お楽しみに♪
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by ZIP-FMナビゲーター都竹悦子 | TIME 22:45|コメント(0)|カテゴリー:映画の話題 |
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