ICL(眼内コンタクトレンズ)治療

永田レイナ、ICLを受ける。
レイナさんが受けたICL手術の模様や、執刀医・市川一夫先生とのICLをテーマにした対談を動画でご覧いただけます。

クロストーク

永田 レイナ市川 一夫

2021年5月、永田レイナさんのICL手術が、中京眼科にて執り行われました。手術前後の様子や対談当日(術後1ヶ月)の見え方など、執刀医である市川一夫医師と共に振り返ります。

永田レイナさん(以下:永田)
さあ、ということで先日、実際にICLのオペをしていただきました。
実際に体験した私、永田レイナと、執刀していただいた市川先生と共にICL治療を振り返りながら、お話ししていきたいと思います。市川先生、よろしくお願いいたします。
市川一夫医師(以下:市川)
はい、よろしくお願いします。
永田
まずは、ICL手術をしていただく前の私の視力が、0.04と。市川先生からは「強度近視の一歩手前」と言われました。
市川
いや……強度近視に入ってますね。
永田
そうですね!メガネでの視力矯正がちょっと厳しいんじゃないかというお話しでした。
市川
はい。コンタクトレンズが医学的な適用の範囲ですね。
永田
私は10年ほど、ずっとコンタクトレンズを使用していたのですが、ICLというものがあるよと教えていただいて「やりたいです!」と、今回この手術をしていただくことになりました。
オペ前の検査は2回ほどありましたね。
市川
本当は3回なんですけどね。
永田
あ、そうなんですね!
市川
お忙しい方なのでひとつ端折りました!(笑)
もちろん医学的には問題ない端折り方なので、大丈夫ですけどね。
永田
本当にいろいろな検査をしました。なんの検査をしたんですか?
市川
まず、レイナさんの目が本当にICL手術を受けて大丈夫な状態かどうかを調べました。
先ほどコンタクトレンズが医学的な適用の範囲と言いましたが、基本的に近視にはメガネで矯正できるものとメガネでは矯正が難しいものがあります。レイナさんのような強度近視の場合、メガネでは視力が十分に矯正されない場合があるということです。その意味で、医学的にもコンタクトレンズがおすすめとされています。
永田
そのコンタクトレンズを外す期間がありましたね。

1回目の検査の模様
検査の前は、コンタクトレンズの装用をやめる期間が設けられる。
(ハードで3週間 / ソフトで2週間)

市川
そうですね。実はコンタクトレンズって、ある意味では「補正下着」のようなものなんです。
最新の近視治療法に「オルソケラトロジー」という、夜間にコンタクトレンズを装用し、角膜の形状を変化させ、昼間は裸眼で過ごすというものがあります。これは中等度~軽度の近視に適した治療法です。ところがオルソケラトロジー用のコンタクトレンズではなく、普通のコンタクトレンズでも、それと同様に角膜の形が変化することがあります。コンタクトレンズを長く使えば使うほど、元の形、自然な形に戻るのは時間がかかる。ハードコンタクトレンズでは3週間、ソフトでも2週間はかかると言われています。だから、ICLの度数測定を正しく行うために角膜を自然な形に戻す期間が必要というわけです。
永田
なるほど~
市川
最初に行った検査は、角膜などの視神経が手術を受けて大丈夫かどうかを調べる検査でした。
それから、眼軸という目の長さを測ることで、近視の程度も調べました。若い方で、普段コンタクトレンズを使用している方の中には、目のピント調節機能がしっかり働いている上にコンタクトレンズを使用するため「過矯正状態」になっている方もいらっしゃいます。これは、本来ならばもう少し弱い近視のはずが、強い矯正でなければ視力が上がらないという状態です。そういったことを防ぐためにも、眼軸値を測定する必要があります。
それからレイナさん、いまICL手術をしたから、もう近視は治ったような気がしているでしょう?
永田
はい。
市川
ところが治ってはいない。近視の構造は変わっていないので、将来的に近視の人がかかりやすい目の病気にも気をつけなければなりません。今後どのように経過を見ていくべきか等の評価も、術前の検査で行っています。
それから、コンタクトレンズのない状態で本来の角膜の状態を調べる。
そのあと、目薬を使って視力を測りましたね。あれは、調節麻痺剤といって目の調節力を弱める薬です。

最も適したICLを選ぶため、調節麻痺剤を点眼し、本来の視力を検眼する。

永田
だから近くにピントが合わせづらくなったんですね。
市川
そうです。ピント調節力のない状態で、自然な目の状態を調べたんです。
それから実は、もうひとつ。レイナさんと私はラジオ番組でご一緒していますね。
永田
はい。
市川
いつもレイナさんが、どれくらいの距離で、どのような照明でものを見ているかを拝見していました。レイナさんは普段、近くを見るための調節機能をたくさん使われていると思います。それを酷使しているということは、今は良くても、これから数年~数十年先に困ることになる。それも計算に入れてICL治療に臨んでいたわけです。
永田
なるほど、患者さんがいつも、どのくらいの距離を見ているかを計算して、矯正の度数を。

ZIP-FM 「CLICK EYE」の収録模様
目に関する情報を発信するショートプログラム。毎月1回、市川医師が出演され、リスナーの質問などに答えている。

市川
そうです。もちろん、患者さんご本人にも普段の生活をお聞きしながら相談して決めます。
レイナさんとも度数を決めるときに相談しましたね。
永田
しました!レンズの度数をどのくらいにするのがいいか。
市川
私が「裸眼で1.2くらいの方がいいと思いますよ」と言ったら、レイナさんは他の方とも相談して「やっぱり1.5がいいです!」という結論でしたね。(笑)

術前の検査1日目、検査の結果を考慮しながら、レイナさんに最適な度数のICLを選定する。

永田
(笑)そうでした!
市川
1.5ですと、私の見解では、少し早めに老視が始まるかもしれませんよ、とお伝えしました。
永田
いろいろなことを考えながら術前の検査をされているんですね。
では、手術前の過ごし方に話を戻しますが、最後の術前検査から手術日まで、約1カ月ほどでしたね。
手術前1週間はコンタクトレンズを外して、事前に処方されていた点眼薬をさして過ごしました。
あの薬は何だったんでしょう?
市川
あれは、細菌感染を防ぐ目薬です。目の中には常在菌といわれる菌がいますから、その菌を抑えるために事前に目薬をさしていただきました。手術後も、傷がとじるまでの間が非常に重要ですから、術前に常在菌がいない状態にしておくことが大切なのです。
永田
なるほど。
そして手術当日。私は午前中、いつもどおりラジオ番組に出演して、そのままラジオ局から中京眼科に移動しました。着いたら、時間をかけながら点眼薬をさしてもらって、手術を待つという流れでした。あの点眼薬は何ですか?
市川
2種類、さしましたね?
永田
はい。

手術を控え、瞳孔を広げる散瞳薬と麻酔の目薬を点眼する。

市川
まず最初にさしたのは、散瞳薬という瞳を広げるための目薬です。ICL手術では、レンズを虹彩と水晶体の間に挿入しますから、瞳を大きく開かないと入らないんです。そのために術前の約1時間前に散瞳薬を点眼します。もうひとつは、麻酔の目薬です。
永田
あの時点で麻酔をさしていたんですか!
市川
そうです。そのあとに使用する消毒薬は、実はすごくしみる薬なのですが、まったくしみなかったでしょう?
永田
まったく、しみなかったです。
市川
それは麻酔のおかげなんです。

術術前に点眼した麻酔の効果で、術中に使用される消毒薬が目にしみることはなかったと言うレイナさん。

永田
私、麻酔ってもっとたくさん使用するのかと思っていました。
市川
最低3回はさすことになります。手術に入る前に1回。消毒の前に1回。それから、ICL挿入後、消毒の前に1回。
永田
手術前の3回の麻酔がしっかり効いていたので、手術中、もちろん痛みもなく。
私、目の手術は初めてなので、ICL手術を迎えるにあたって、私なりにいろいろ調べたんです。「ICL手術 痛み」とか検索して。その中で、痛みはないけれど若干の違和感はあるという意見を見て、個人的に少し心配していました。だけど、痛みもなく、違和感としても「目を触られているかな?」という程度で、目の手術って、こんなにすんなりに終わるものなんだ!とびっくりしました。
市川
目に限らず、手術って緊張しますよね。とくに目の場合、緊張すると瞳の開きが悪くなるのです。それで、笑気麻酔といって軽いガスの麻酔を鼻から少しだけ流しておく。するとちょっと酔っ払ったような状態になってリラックスできるんです。レイナさんの場合も、そうさせてもらいました。
永田
だから、リラックスした状態だったんですね。

低濃度笑気ガス麻酔
亜酸化窒素(笑気)と医療用酸素を混合したガスを鼻から吸入して、痛みを感じにくくリラックスした状態を作り出す麻酔です。

市川
もうひとつは、切開後、ほんの少ししみたでしょう?あれは目の中にも麻酔薬を入れました。目の内と外の両側から麻酔をしているため、痛みを感じずにいられたのです。
でも、触られている感覚は、全身麻酔をしないかぎりなくならないので、仕方がないですね。でも手術としては痛みや違和感はそれほど感じなかったでしょう。
それから、手術中に私が「眩しいですよ」と言いましたが、実際どうでした?
永田
最初は少し眩しいなと思ったんですが、だんだん目も慣れてきて、気がついたら手術が終わった状態でした。
市川
実はね、本当はもっとまぶしいんです。
永田
へ~!
市川
手術は患者さんの目に顕微鏡の光を当てて行うのですが、顕微鏡の光自体は人間の目には少し暗く感じるくらいの弱い光です。それを3Dモニターに映して、私たちは画面を見ながら手術を行います。
直接患者さんの目と自分の手元を見るのではなく、モニターを見ながら執刀する。そうすることで、患者さんにとっては弱い光ですが、執刀する私たちにとっては十分な光を確保できる。患者さんの眩しさを抑えられるというわけです。これは最先端の設備で、まだ国内でもICL手術をその設備で行っている眼科は少ないと思います。

手術用の顕微鏡が発する光を暗くし、目の前のモニターの輝度を上げ、術野を3D表示させて手術を行う市川医師。
こうすることで、患者さんが感じる眩しさを抑えることができる。
ICLの手術で、この方式の手術を行う医師は数少ない。

永田
ちなみに、患者さんの目によって手術がしやすい、しづらいはあるんですか?
市川
もちろんです。手術は術者の腕にもよりますが、同じ執刀医がやるとしたら患者さんのちがいがすべてです。ですから、手術がスムーズに終わったときは患者さんに「あなたの目が良かったんです!」と伝えています。(笑)レイナさんの目もやりやすかったですよ!
永田
よかった~!どういうところがやりやすかったんですか?

執刀した市川医師は、ICLシニアエキスパートインストラクターに認定されており、ICL資格取得希望の眼科医の執刀に立ち会い、認定可否を判断するポジションの医師。
手術の正確さはもちろん、患者さんが不安や怖さを感じないような手術を心がけている。

市川
基本的には、あまり目を動かさなかったでしょ?
それから、大きめの目の人の方がやりやすいですね。高齢者の方はどうしても目が小さくなるのでやりにくいです。その他、目の形など様々ですが、現代のオペ技術ではほとんど大丈夫です。
永田
なるほど。先ほどのお話のとおり、オペ自体は本当にあっという間に終わったんですが、右目から先にオペしていただいて、右目が12~15分くらい。で、ちょっと時間をおいて左目、7~8分くらいで終わりましたよね?
手術直後、どんなふうに見えるのかな?と気になっていたんですが、手術前に入った待合室で、延長コードの穴が見えない状態だったんです。でも術後、同じ部屋に入って見たときに「すごい!延長コードの穴がしっかり見える!!」と驚きました。あんなにすぐに見えるものなんですね。

レイナさんの視界の変化(イメージ)
待合室で見たコンセントのイメージです。左側が手術前、右側が手術後。

市川
先ほど言ったように、まぶしい状態にしていなかったから見えるようになるのが早かったんですね。
もうひとつは、術後に瞳を縮める薬を使っています。その作用で見やすくなってると言えます。
ただ、帰宅後に少しボケてきたでしょう?
永田
まさに、そうです!
市川
手術前に使用した散瞳薬が効いてくる関係です。
永田
なるほど。でもボヤけているおかげでスマホを見なくてすんだというのは良かったです。

手術直後のレイナさん。
クリアな視界に驚きが隠せない様子でした。

市川
そうですね、手術後、私言いましたね「スマホは見ないで早く寝てくださいね」と。
永田
はい、言われました!
そう言っていただいたので、その日はすぐに寝ました。で、翌日の検査に行き視力を検査すると、右は1.5、左は0.8になっていました。
市川
オペ自体は左目の方が短かったけれど、視力の出方は左の方が遅かったですね。ということは、手術時間が短ければいいというわけでもないのです。
永田
そういうことですね。

手術後の検査では、ICLの配置、目の状態などをチェック。レイナさんの状態は非常に良好でした。

市川
その後2~3日で視力が出てきたでしょ?
永田
出ましたね。2日後の検査では、右1.5、左1.2。今はもう両目とも1.5になりました。
こんなにもすぐに見えるようになるのかと。
で、手術後に人によっては眩しさを感じることがあるとうかがいました。個人差があるかもしれませんが、私はあまり感じませんでした。
市川
ICLはコンタクトレンズのように目の広い範囲を覆うのではなく、レンズのサイズが小さいため、とくに若い方が暗い場所などで瞳が大きく広がるとレンズの範囲を超えることがあるんです。そこに横から光が入ることが眩しく感じられる原因です。眩しく感じられなかったということは、レイナさんは少し瞳の開きが少ないかもしれませんね。
永田
そういうことなんですか!
市川
ただ、職業上の理由だと思います。近くを見るときは瞳が縮むので、近くを見ることが多い方はそういう傾向は考えられます。決して年齢ではないと思います。(笑)
永田
本当ですか。
術後、眩しさや不便さを感じることはまったくなく、いただいた目薬3種類を1日4回さしました。
現在は1種類を朝晩2回点眼していますが、もうすっかり自分の目になったなという感じがしています。
市川
一週間もすれば馴染みますよね。
ですが、私たちはいつも患者さんに説明することは、目とは脳の一部が表に出てきたものであって、
バリア機能というものが備わっています。脳には、血液から脳に悪いものを入れないようにする働きがありますが、目にも同様の機能が備わっていますので、完全に回復するためには、術後1ヶ月は安全に気をつけた方がいいと思います。その間は点眼してもらってます。
永田
あとは1ヶ月後の検診と……
市川
1カ月、3ヶ月、半年、1年後の検診ですね。でも1ヶ月様子を見て大丈夫であれば、ほとんどいいと思います。ただし、きちんとケアされていることが大前提です。
それから先ほどもお話ししましたが、手術して視力が出たからといって近眼が治ったわけではないので、近眼特有の合併症は同じように起こる可能性があるということです。そういったことの早期発見・早期治療のためにも、年1回の検査を受けていただきたいと思います。ICLの検診ではなく、近眼の検診ですよ!
永田
術前の検査をしっかりして、そして、術後の定期的な検査が大事。
市川
検査をしっかり行ってから、手術を受けてください。
ICLやレーシックなどの屈折矯正手術では、どれだけ矯正するかを決めることが最も重要です。
それからもうひとつ、ICLの手術は熟練した医師を選ぶといいと思います。レンズを挿入して近視を治すということだけじゃなく、近視そのものの知識や治療経験の豊富な医師に診てもらうことが重要だと思います。
永田
そうですね。ICLは、視力矯正に悩んでいる方の、これからの選択肢のひとつになると思いますが、その中でも、どの病院で、どの先生と、どういったレンズを入れるのかということを、しっかりとディスカッションしながら決めることが大事ということですね。
市川
そうですね、その通りだと思います。
永田
それでは最後に、ICLを検討している方に向けてメッセージをお願いします。
市川
ICLは素晴らしい手術ですが、やはり手術は手術ですので、ちゃんと検査を受けること。それから、どんな度数に補正するか、裸眼視力を求めるがゆえに過剰矯正になりすぎないように。
それから、自分がどんな生活をしているかを考えた上で度数設定を相談できる先生を選んでください。
そうすればハッピーになると思います。
永田
ありがとうございます。
まさに私も実際にICL手術をしたことで、これだけ世界が変わるんだなと実感しました。
さまざまな視力矯正手術、視力矯正の方法の選択肢があるなかで、これからのスタンダードになっていくであろうICL手術。皆さんもぜひ検討されてはいかがでしょうか。
市川先生、本日はありがとうございました。
市川
ありがとうございました。

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